元上司の喧嘩につきあわされた話
久しぶりの二日酔い
昨日は予定通り昼過ぎから飲んで、日没までには寝るつもりだった。
午後5時を回ったところで電話が鳴り、今から飲みに行こうと昔働いていた会社の上司から連絡があった。
元来俺は誘われたら断れない質である。
その時すでに700mlのジョッキにハイボールを2杯飲み、3杯目を注いできたばかりだった。
入れたばかりのハイボールを泣く泣く捨てて、水をがぶ飲み。
ビタミンCとシリマリンの錠剤を2つずつ飲み、大量飲酒に備えた。
吐くまで酒を飲みたいという人はいないと思うが、とにかく俺は酒で吐きたくない。
気持ち悪くなるほどの泥酔状態になりたくない。
最後の一口まで旨いと思える状態で酒を飲みたいのだ。
7時から飲もうという話だったが、6時半頃にもう一度連絡がきて「予定していた店が満席で入れないから別の店にいる。今から来い」と言われた。
身勝手な話である。
店に着くと元上司とその奥さんが席についていた。
最近どうだという話を右から左に流していると、必然会話は仕事の愚痴に及び始めた。
派遣社員間の仲が悪くなり、その対応に苦慮しているのだという。
「派遣なんて人手が足りてきたら真っ先に首を切れるから」と元上司は言っていが、おそらくこれから人手が足りるような時代になることはないだろう。
若者不足、新人不足、後継者不足に悩まない経営者はいない。
今働いてくれている人たちをできるだけ長く働かせるために、上役には下の者の人間関係、不平不満に対し敏感になり執りなす能力が求められる。
「お前は新人だから黙って働け」とか「お前は派遣なんだから口答えするな」と言い出す人間が上に立っている会社に未来はない。
飲みだしてから1時間ほどすると、仕事のことで元上司と奥さんが言い合いを始めた。
俺は門外漢なので黙って酒を飲んでいたが、急に呼び出しておいて飲み屋で喧嘩するなと思った。
どっちが正しかろうが、人前で夫婦喧嘩をすること事態が悪いことなのだから自覚してほしい。
結局俺はどちらの味方にもつかず、自然に鎮火するまで黙っているしかできなかった。
そして会計がくる。3人で16500円だった。
まず呼び出した側が奢るべきでは?
俺が働いていないことは知っているのでは?
なぜ俺が5500円出さなければならない?
世の中では婚活で男がどれくらい多く金を出すかが論争になるが、俺の生きている次元では急に呼び出された無職の後輩が少し多く金を出すことになっている。
上の画像はにじジャーニーで作ったやつだから規約読んで勝手に使っていいよ。