28歳無職弱者男性の日記

29歳になりました

早起きして仕事をするということ

早起きという地獄

早起きは三文の徳というが、今までの人生で早起きをしていい目にあったことがない。

惰眠を貪る権利を得る快楽のほうがよっぽど得だと思う。

もとより夜型人間なので、早起きには相当な苦痛が伴う。

今日は早番だった。

派遣社員がバックレていなくなったので、勤務変更があって急遽早番になったのだ。

本来は遅番だった。

今の仕事はシフト制で、早番、遅番、深夜勤、準夜勤の4種類をローテーションしている。

遅番であれば午前8時まで寝ていられるが、早番は午前6時起床である。

余裕をもって出発するためにはもう少し早く起きなければならない。

今日は5時47分に目覚ましをセットしていた。

 

俺は必ず目覚ましが鳴る前に起きてしまう質だ。

本来の起床時間から3時間は早く目覚めて、そこからは寝付けずにマイクロスリープを繰り返すタイプの人間である。

「早起きが苦手」という人には2種類いて、ひとつがギリギリまで起きられなかったり、寝坊するタイプ。もうひとつが俺のように前日眠れないタイプだ。

どちらも寝覚めは最悪だ。

 

今の職場で早番は人気のシフトらしく、普通なら新人に回ってくることはない。

あっても月に1度くらいだ。

「早く帰れるから」というのが人気の理由だそうだが、俺は早く帰るより遅くまで寝ていたい。

早番の終業時間は午後4時。

仕事を終え買い物をし、食事を作り晩酌、風呂に入ってもまだ午後8時。

なるほど確かに時間的余裕はあるが、それでも俺は長く寝ていたい。

早起きの基準

午前5時台後半、ほぼほぼ6時起きは早起きではないという意見もあるだろう。

俺もそう思う。

この世で最も過酷なのは4時台起き始発出勤だ。

忘れもしない、東京の日野に住んでいた頃、日雇いのバイトをしていたときのこと。

そのバイトは出勤現場を前日の夕方頃に電話で聞くというシステムで、俺もその日派遣会社に連絡をして出勤場所を尋ねた。

場所は新宿のパチンコ店。作業内容は搬入、荷揚げ。

午前6時30分に新宿駅東口に集合。7時から作業開始という内容だった。

 

日野の自宅から駅まで徒歩、そこから新宿まで電車に乗り集合場所に着くまでに1時間30分はかかるとして、余裕を持たせるには5時起きでは厳しい。

始発出発だ、と頭では思いつつ、俺は前日専門学校の講師にくっついて飲み歩いていた。

錦糸町の立ち飲み屋でやったあと、亀戸で餃子を食い、浅草橋に戻ってコロッケで飲みその後江戸前立ち食い寿司でワンカップの熱燗を飲んだ、

当然帰りは終電で、家に着いたのが午前1時を過ぎた頃。

3時間寝て始発で新宿に出た。

 

寝不足と深酒で頭がガンガンするし、12月だったので寒かった。

肉体労働前には何か食べなければ途中でバテてしまう。

しかしつい数時間前まで暴飲暴食の限りを尽くしていた身には何も入らない。

途中コンビニでさつまいもスティックとかいう菓子パンを買い、新宿駅東口の喫煙所でモサモサ食べたのを覚えている。

味などしなかった。ただの栄養補給でしかない食事だ。

 

作業現場のパチンコ店内には暖房がかかっていた。

改装か何かをする現場以外の階層は稼働しているのだから当たり前だ。

寒いところから温かいところに急に行き、肉体労働をする。加えて寝不足。

自律神経がぶっ壊れた。

立っていても座っていても、動いていても止まっていても滝のように汗が出る。

無限に搬入されてくるセメント、川砂、タイル。

職人の中国人が涼しい顔をしてタイルをペタペタ床に貼り付けている横に、我々日雇い労働者が材料を運ぶ。

地獄だった。ちなみに中国人は物凄く優しかった。

 

当時俺は20歳だった。

何だかんだ若かったからできたのだと思う。

21歳、22歳、23歳の俺であれば開始1時間でトイレに行くふりをしてバックレていたと思う。

そもそも出勤しなかっただろう。

結局その日は交通事故の影響で搬入のトラックが滞ったとかで午前2時くらいに作業終了となった記憶がある。

日雇いの場合はどれだけ作業が早く終わっても1日分の金が貰える。

得をしたと調子に乗り、次の日も同じ現場に行った。定時までみっちり働かされた。

二度とできない

あの仕事はもう二度とやりたくないし、できないと思う。

日給8000円だったしね。

会社名を覚えているから、今求人サイトで調べてみたら日給1万円に上がっていた。

時代の流れだ。

 

どの現場で何の作業をしたか全部覚えている。

日雇い仕事をしていたときにちょうど祖父が亡くなり、革ジャンを形見として貰い受けた。

仕事中に内ポケットに手を入れると、ビール券の束が出てきて驚いた。

それ以降行く現場でビール券を配った思い出。

そうすると怒られなくて済むのだ。

 

きつくて辛くて二度とやりたくない仕事だったが、嫌ではなかった。

時間を無駄にしたとも思わない。

今こうして書けるのだから。

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