紙ベースで行われる意思疎通
昨日友達とゲームをプレイしている最中の会話。
もう10年以上の付き合いになるから、ゲームをしながらゲームの話などしない。
「AI絵にハマってるって言ってたけど、意味がわかった。あれは革命だわ」
「だろ? 俺が3年前に勧めたVtuberに今ハマってるレベルなら今AI絵に手出したほうがいい。俺はミッドジャーニーに課金しちゃったからそれしかやってないけど、Stable Diffusionがいい。時間を無限に使えて、機材も揃ってるなら一択」
友達は無職だから時間を無限に使えるし、障がい者年金を受給しているので一ヶ月7万円程度の収入がある。
実家は持ち家で二世帯住宅。祖父祖母は他界している。
両親は公務員である。
「マジですごいから。画像作るわ。なんか単語言ってみ? なに? なんでもいいから」と俺は言った。
「絶望」と友人は即答。
そして上の絵が生まれた。
「絵が描けるとか描けないとか、出来栄えがどのとか、人の手で描かれた温かみがどうのとかどうでもいいとして、俺らの世代はこのレベルの絵を〝依頼〟しなければ手に入れられなかったんだよな」と友人は言う。
この歳になって思う。
最も価値があるのはAIでもテクノロジーでも情報収集能力でもなく、「なにか単語言ってみ」と言われて「絶望」と即答する友人である。
紙ベースで行われる意思疎通
絶望と言った友人に感動した話は今日書きたいことの本筋ではない。
割りと真面目に感動したから書いただけのことだ。
実際テクノロジーもAIも、業務の効率化を図るという意味では積極的に取り入れるべきだと思う。
下の記事で書いたように、我が職場は指揮系統すら曖昧な状況にある。
各々が好き勝手に情報発信を行うのだが、すべてが口伝か紙面での共有となる。
紙面というのは目立つ場所に掲示しておくという意味ではなく、各々が好きなタイミングでA4用紙に印刷し、ファイルに綴るという方法で共有される。
「業務日報」と銘打たれたそのファイルは、毎日の出勤時必ず目を通す決まりとなっている。
その日か、前日くらいの内容であれば記憶できる。
しかし7日前、20日前、35日前の内容ともなると、もはや誰も覚えていない。
遡って確認しようとしても、そもそもが何日前に発信された内容なのか覚えていないため一枚一枚めくって確かめることになる。
昭和の話をしているのではない。これは令和5年4月の話である。
先輩がその状況を変えようと業務改善案を提出したという。
紙面での情報共有は非効率だという内容だ。
それではどうすればいいというのだろうか。
社内wikiの作成? タスク管理ソフトの導入? 業務日報のデータベース化?
否、ホワイトボード導入である。
「どう?」と尋ねられた。
「ああ、いんじゃないっすかね~」と俺は答えた。
パソコンで打ち込んで印刷した内容をファイルに綴る方式から、ホワイトボードに手書きする内容に変える。
これは技術革新である。
手書きの文字には温かみがあるし、温かみがあると記憶にも残るだろう。
我が職場では業務日報を読む時間、書く時間のコストは0で計算される。
だからどんな種類のIoT化も赤字で計上される。
楽をすることを考える暇があったら手を動かせというやつだ。
他にも言いたいことはあるけど、まぁいいや。
フィーリングでやってる業界は早々に滅びると思うのだがどうだろうか。
需要はあるから滅びないのだろうか。
若者は入ってこないと思うが、それでもなんとかやっていけるのだろうか。