今日が人生で一番若い日
先行者利益
昨今のAIラッシュに商機を感じているのは俺だけだろうか。
論争が起こったり、アメリカやイタリアでは法整備が進んでいる以上、それを危機に感じている大人たちは多くいる。
これを「合法な手段で」マネタイズしようとしている人も多くいるはずだ。
AI技術は日進月歩であり、新しいサービスが脚光を浴びるたび「シンギュラリティ」だの「将来AIに取って代わる仕事」といった形でもてはやされてきた。
俺は「しかし去年末からの流れは次元が違っている」という書き出しで続けるつもりだが、過去まったく同じ書き出しで文章を書いたことがある。
2018年2月、無職だった俺は海外の反応ブログを運営していた。
別に隠すことでもないから明かすと、外人速報というサイトである。
当時の海反ブログはレッドもレッド、真っ赤に染まったレッドオーシャンであり、特別な何かがないとアクセスを集められなかった。
そこで目をつけたのがバーチャルユーチューバーだった。
VTuberが駆け出しの頃、その活動を支えていたのは主に外国人だった。
キズナアイ、ミライアカリ、輝夜月、電脳少女シロ、のじゃロリおじさんが四天王と呼ばれていた頃の話だ。
外国人に人気だったといっても、You Tube以外のサイトではコミュニティが存在せず、4chのjp板にスレッドがひとつだけあるに過ぎなかった。
俺はそのスレッドだけを見て反応を翻訳していたのだ。
後にRedditにフォーラムができたけれど、そのときはついても4レスがせいぜいだった(今は知らないが膨大な量の書き込みがあるだろうことは見ないでも分かる)
「こんなアニメユーチューバーのことなんか誰も知らない」
「どうせ全員中身おっさんだろ」
俺が翻訳しても、最初の頃のコメントはこんなのばかりだった。
キズナアイが生誕何周年だかのライブをしたときにはリアルタイムで翻訳し更新。
その後も続々と現れる新人VTuberたちの「最初のあいさつ」が投稿されるたび、その反応を翻訳し続けた。
流れが変わったのが2018年2月、「しかし去年末からの流れは次元が違っている」からである。
そこでにじさんじが発足した。
最初のうち、にじさんじの人たちは専用の配信アプリを宣伝するための「ライバー」という呼称で、活動場所もYou Tubeではなかった。
にじさんじが注目を集めると同時に俺のサイトへのアクセスも増えていき、誰もVtuberを叩かなくなっていた。
今からでは信じられないかもしれないが、にじさんじのライバーは当時「後発組」だった。
「今更新しいものが出ても見ないよ」と言われていた。
俺も2018年になってようやくVTuberを知り、反応をまとめたところで
「あー、1年前くらいに流行ったよね。古いよもう誰も興味ないって」と言われた。
古いよを信じるな
今流行しているChatGPTも画像生成AIも、もとを辿れば前からあるものだ。
知っている人は去年から知っていたし、もっと前から注目している人もいただろう。
ちなみに俺がChatGPTを知ったきっかけは、kenshiというゲームのスレッドで「ChatGPT使ったMODを入れるとNPCが全員違うこと喋るようになって面白いよ」というレスを見たからだ。
とにかく今が旬だと直感できる物に関しては全力投球しても問題ない。
金なんてすぐ返ってくる。
俺もVTuberの翻訳記事で100万円は掠め取れた。
日本で俺しかやっていなかった内容で100万円は少ないかもしれないが。
紙の本を買いなよ。電子書籍は味気ない。――PSYCHO-PASS 槙島聖護
ネット万能論者のような口ぶりで書いてきたが、俺は基本的にネットの情報を信用していないし、ChatGPTも信じない。
自分の目で見て読み感じたことのみを信じるタイプである。
本もすべて紙で買う。
そもそも俺は純文学畑出身だから。
「今更デザインを学んでどうするの」
「29歳じゃ遅い」
「せめてデザイン学校は出なきゃ」
俺の脳内フォーラムにはこう書き込まれている。
俺はこう返信する。
「うるせェ!!!!行こう!!!!ドン!!!!!!!!!!」
人生勢いが大事。
だいたい流行から半年以内に始めときゃ先行者利益は十分得られるから。