ミッドジャーニーで理想のタイプを作ってみた
外に出ると彼女はいないのか、結婚するつもりはないのか尋ねられる。
職場では一番若いから若者が好きそうな話題を振っているのだと思う。
単なる雑談であり他意はないとしても、別々の人から何度も聞かれ、そのたびに「彼女いないです、結婚する気ないです」と答えるのは精神的につらい。
そもそも現代社会において新人社員にプライベートな質問、それも彼女とか結婚について尋ねるのはセクハラ扱いになるのでは?
就業規則を読んでみると、たしかにそれはセクハラだと書いてあった。
しかしコピー用紙を厚紙で挟み、綴紐でとじてあるだけの就業規則を読む者は誰もいないのだろう。
彼女がおらず、結婚願望もない。
そう言うと今度は「理想のタイプは? 芸能人でいうと誰?」と話がスライドする。
テレビを見ない俺はその質問にも答えられない。
テレビを見ない旨を伝えると、十中八九「最近だねー!」で終了。
俺は雑談が嫌いなわけではないが、この手の会話を広げるのは無理だ。
まだ「休みの日は何してる?」のほうが広げられる。
最近はサイクリングして食材買って帰って、デザインしてブログ書いて酒のんで寝てる。
理想のタイプが答えられないと、ゲイだと疑われる。
実際ゲイと半同棲していたことがあるからゲイなのかもしれないが、このご時世それを面と向かって尋ねるのはぶっ飛んでいると言わざるをえない。
田舎のそれも介護施設だから許されることであって、どんなコミュニティでも他の場所でそういった言動をとっていると間違いなく注意されるか、排斥されるだろう。
田舎は昭和のまま時が止まっているから、セクハラもパワハラも当たり前だし、精神疾患のある人をバカにしたりする。
俺が入職する前に相談員の一人が鬱病で退職したそうだが、未だに「鬱は甘え」と言っているのを耳にする。
俺は低自尊心の29歳独身男だから耐えられるが、おそらくもっと若い人にとっては多大なる苦痛だと思う。
同じ日本語を喋っているのに、価値観がまったく違う。
そしてこちら側が向こうの価値観に合わせなければならない。
30年か40年前の常識にチューニングしなければならないのだ。
ミッドジャーニーで理想のタイプを作ってみた
Standard Planは画像生成数無限だけど、高速モードをあまり消費したくないから厳選は50枚くらいで妥協。
休日の午前中にAIで理想の異性の顔を作るという作業に虚しくなったから途中でやめたというのもある。
画像を見たら一発で「あー、こういう感じね」となる。
そして「あー、こういう感じが好きな男ってこういう感じだよね」ともなる。
余計な説明はいらない。
俺は文章の力を信じているが、やはりイメージを伝えるのに一番最適なのは直接見せることである。
この顔の人間は現実には存在しないため、肖像権がない。
著作権については曖昧であり、創作的寄与の意味も定義がふわふわしているのが現行法だ。
俺にあるのはこの画像を商用利用できる権利だけというのが現状である。
著作権のあるなしはともかく、少なくとも日本において画像生成AIの使用は合法だ。
人類がこの技術を制限する方向に動くのか、更に発展させていくのかは分からない。
しかしここまで広まってしまったものを、全世界的に止めるなんてことができるだろうか。
仮に日本だけが禁止したとしても意味がない。
他の国で使えるのなら、日本人だけがAIを使わず海外と勝負しなければならなくなる。
G7が共同で禁止したとしても同様で、他の国の生産性が向上していく中、指を加えて見ているしかできなくなる。
Winny事件の再来になる可能性もある。
製作者が逮捕されることはないだろうが、利用者が謎逮捕されて終焉するシナリオだ。
画像生成AIが「合法目的に使うことは困難なもの」と判断される未来。
どうなるにせよ、ユーザーにできるのは黎明期のカオスを楽しむことだけだ。
未来の価値観は予想ができない。
今、新人社員に恋愛の話をするのがNGなように、来年には画像生成AIを使うことがNGになっているかもしれない。
いや、田舎では時が止まっているから、十年後くらいにようやく「ミッドジャーニーって知ってる?」と聞かれるかもしれない。