28歳無職弱者男性の日記

29歳になりました

はいはい言っていられるほど無垢でもなかった

職場から頼まれて作った注意喚起を周知する紙

介護士の社会的地位は低いが、介護施設内での地位も低い。

介護施設はその名の通り介護を提供している施設であり、業務形態としてグループホーム特別養護老人ホームサービス付き高齢者向け住宅、介護老人保健施設など様々あるが、どの施設であっても介護員がいなければ仕事は回らない。

介護員の仕事は介護を提供することであり、介護施設は介護を提供する場だ。

それでも介護員の立場は介護施設内でも最低である。

 

当然医者以下であり、施設長、管理者、ケアマネジャー、看護師以下であり、理学療法士作業療法士以下であり、相談員以下であり、何なら介護事務員以下である。

施設によって常駐のケアマネがいなかったり、PT、OTがいない、医者もいないなど状況が違うけれども、結局のところ介護員が一番下だと覚えておいて損はない。

介護現場の頂点である介護主任の座についてようやく上の立場に物申せる立場になるが、それでも「かしこみかしこみ申し上げ奉る……」と頭を低くして〝お願い〟の態度を示さなくてはならず、結果返ってくるのは「介護の分際で頭が高い」の一言である。

 

いわば現代の奴隷、穢多非人が介護士だ。

俺が働いている職場は特別養護老人ホームだが、今日社歴が20年あるという先輩が事務所にファイルを貰いにいった。

新年度になるから資料を綴る用の新しい物が必要になったのだという。

ファイルといってもホームセンターで500円もしないで売っているものだ。

うなだれて返ってきた先輩が「怒られた」と言った。

介護ごときにそこまでのコストは割けないと言われたという。

介護施設で介護にコストを割かないのなら何に使うというのだろう。

俺は「そんなクソみたいなことを言う奴に頼むくらいなら自腹で俺が買ってくる」と言った。

本当は俺も500円のファイルなど買いたくなかったが、あまりに腹が立った。

 

普通の会社員は職場で業務に当たるうえで、就業規則に基づき職場内で決められたルールに従って働いていると思う。

何が良くて何がダメなのか。

規則ではこうなっているが慣例上ではどうなのか、マナーとしてはどうなのか等々。

 

介護現場における職業倫理、行動規範、何がダメで何が悪いかは国が決めているとご存知だろうか。

今日職場で、厚生労働省から配布されている身体拘束・虐待廃止の動画を見ておくよう告知があった。

介護員〝ごとき〟は見ろと言っても見ないだろうと判断されたようで、残業代を出すから業務時間外に全員居残りをして見ろというお達しがあった。

まだ見ていないので内容は知らないが、どうせ高校生が見るようなものに決まっている。

刻一刻と変化している現場で働く人間に、「スピーチロックはダメダメなのです」とかいう動画をひり出せる魂胆が意味不明だ。

見ていないがどうせそんな内容だと分かる。

 

認知症の人は頭の中がよくないことになっているので、暴れたり殴ったり暴言を吐いたりする。

それを日本の介護ではBPSDと表現し、介護者が不要なストレスを与えた結果生まれる反応だと定義している。

元々この言葉は1999年の国際老年精神医学会で定義されたものであるため、だいぶ古い。

俺はまともな医者がこの言葉を使っているところを見たことがない。

たぶん20年前に生まれて、それほど更新されていない概念を使うのはバカだと思われるから使わないのだと思う。

ちなみに介護士は喜んで使っている。

文学ならポストモダンオタク文化ならセカイ系、ネット用語なら(藁)が主流だった価値観のまま今を生きている。

 

おそらく今の介護現場における認知症患者の行動をBPSDの枠組みで理解するのは不可能じゃないかと思う。

精神病を併発しているケースが多すぎて既存の枠に当てはめられない。

おそらく厚生労働省はそれに対して「とにかくやさしく、目上の者を敬って、人生の先輩だから、やさしく、嫌なら日本から出て行け」と言うだろう。

 

ふわふわしているが介護現場を3日ほど経験して思ったことはこんな感じ。

クソ楽しい。

排泄物食べてる利用者に「彼女には排泄物を食べる自由がある」とかソクラテスみたいな屁理屈言うのが正義な環境本当に狂ってる。

「汚いからやめてください」はスピーチロック。

「おいしそうですねー(肯定)、おかわりしましょうか(やさしい声かけ)」が正解。

俺なら救急車呼ぶわ。

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