夜勤はメンツが大事
きいろちゃんねるの『アジナ~る』にヒントを得て作ったアズノール塗布の周知用図案。夜勤前の短時間で作ったからクオリティはお察し。
夜勤は誰とやるかが重要
急遽施設の電話が鳴る。
「今日出勤予定だった●●さん熱発で休みです。代わりに××さんが夜勤になりました」
我が施設では夜勤は3人で回している。
勤務表を作る人はそのメンバーで回せるかどうかもある程度考慮して作っている……はずだ。
当然欠員が発生すればそういった目論見は機能しなくなる。まさしく今日がそうだ。
現在午後11時5分。
ここまでで落ち着かない利用者が約5人。
ふだんなら平穏無事に過ごせているはずの時間が地獄と化している。
ひとりは痒みを訴えて30分おきに起きだして全身掻きむしっている。センサーコールを押すのでそのたびに駆けつけなければならない。
ふたりが30分おきに交互でトイレに行く。センサーコールマットに反応があるので、そのたびに介助しなければならない。
ひとりは10分おきに体動激しくなりセンサーコールマットに反応がある。そのたびに駆けつけお姫様抱っこでベッドに戻す。
その間別の利用者がベッドより転落。バイタル測定し夜間記録を書き事故報告書を作成する。
本来はこの業務をふたりで分担して行う。
しかし今日は俺一人で行っている。相方は居室の掃除をしているからだ。
それ今やることか?
確かに居室の掃除は業務に含まれている。
日中の業務の中では時間がないため、夜勤中にやらざるを得ないのもわかる。
けれどもガンガンコールが鳴っている最中、4時間も掃除をするということがどういうことかわからないわけではあるまい。
残された一人、つまりは俺がすべてに対応しなければならないのだ。
夜勤 明け 日勤 日勤 夜勤の最後を飾る今日、俺の体力と精神力は限界である。
もはや自分が今何をしているのかすらあまりよくわかっていないレベル。
そんな中でワンオペ夜勤をしなければならないのは非常に厳しい。
これからもう一人が出勤してくる。
ここまではある程度予想通りだ。申し訳ないが今日の相方は仕事ができない。
いや、やることはやるのだが「それ今じゃなきゃダメか?」ということを一生懸命やるタイプだ。
本当であればここから三十代男性が出勤してくるはずが、60代女性に代わってしまった。
ここまでは地獄だった。ここからも地獄が続く。